撥(ばち)は三味線や琵琶などの演奏にも使われ、
ギターで言うピックと同じです。
日本の琵琶の歴史は、中国から奈良時代に
伝わり『雅楽』には欠かせない存在です。
その琵琶を弾くときに使うのが撥なのです。
中国、沖縄へと伝わり、本土へにきて
『琵琶法師』たちが三味線を使い慣れてた
『撥』で弾き始めたのがルーツになるそうです。
撥の種類
見た目はシンプルな撥ですが、
三味線には結構多くの種類があります。
まず、三味線のジャンルで、
・地歌用の撥
・長唄用の撥
・民謡用の撥
・津軽用の撥
とこれだけのジャンルがあります。
さらに、ここから素材もたくさんあります。
・プラスチック系
初心者から上級者までオールマイティに
使われている素材で書く的にも
一番手に入りやすく気軽に使用ができます。
・象牙製
今の時代では賛否両論ある素材ですが、
撥の中でも一番、高価な部類に入ります。
歴代師匠から引き継いで使われる方も
多いそうです。
・ベッコウ製
比較的に使用者が多いのがベッコウ製の撥です。
こちらも手に入りにくくなっている素材ですが、
耐久性も高く「さわり=雑音」も大きめのため
好んで使う方が多い様です。
・木製
木製は、主に長唄で使う事が多いのですが、
軽くて扱いやすいので、初めて使う方や、
自分仕様に加工がしやすいのが特徴です。
気の温もりもいいですね。
撥は三味線本体とは違い、価格も
お手頃で(望めばキリはありませんが)
アクリル製の撥はカラフルでもあり、
コーディネートに幅も拡がりました。
三味線と同じく、1つ1つ音色も変わり、
あなたの演奏のオリジナリティを出す事ができます。
しかし、扱い方を誤ると、バチの角で
皮をビリっと破いてしまったり、糸をブチブチッと
しょっちゅう切ったりする原因にもなります。
その様な
細かいことを気にしたくない人は・・
きっと気分転換で気が向いたときに、
「ヒョイっ」と取り出して、
ちょっと友達と弾いてみる・・・
そんなスタイルを求めているのかもしれません。
いずれにしても、三味線で同じ曲を弾いても
十人十色な雰囲気を出せるのは、この様な
細かいパーツにヒミツがあるようです。
あなたも、三味線の演奏を目にする時、
演奏を聴くだけでなく、この様なところにも注目をすると
面白さが一段と拡がるのではないでしょうか。