ご存知ですか?
かつて、後三条天皇という天皇がいました。
4年間という短い期間なのですが、
庶民達には大変、喜ばれたそうです。
なぜ喜ばれたのでしょうか。
後三条天皇は、当時、やりたい放題の
政治を徹底的に整理した人物だそうです。
これを『延久の荘園整理令』というそうですが、
当時はちょっと複雑で『藤原家』『源家』などの
しがらみが渦巻いていました。
この辺りの歴史の話はここではしませんが、
色々なゴタゴタの中、後三条天皇が即位します。
当時、貴族や寺社がどんどんチカラを付け、
領地が徴税できない荘園と私有地化し、
国の土地が無くなってしまう
という様な状況だったのです。
後三条天皇は、当時の『税徴収』の制度に
ブスっ!とメスを入れた人物なのです。
その、税の徴収で一番、庶民も喜んだのが、
『枡の大きさ』を統一したことだそうです。
当時の納税と言えば、『米』『水』などが
今で言う、税金でした。納税額(量)は、
「米一升分」と言う様な感じだったそうです。
ところが、どの時代にもズルい考えがあるもんで、
沢山の税が欲しければ、一升枡を大きくしておけば
その分、多くもらえると言うわけです。
逆に今度は、役人が、朝廷へ納める時は、
枡の大きさを小さくして朝廷へ納めたり・・。
商人としてなら利益を出す為の優れた(?)手法ですが、
役人となるとそうはいきませんよね。
そこで、後三条天皇は『枡』の大きさを統一し、
納税制度を公平に『規格化』したと言うわけです。
この枡は、1300年まで
『宣旨枡』(せんじゅます)と言われ、
公式枡として君臨し、豊臣秀吉が太閤検地によって
全国各地の収穫量を調査する時も活躍しました。
今は税金に変わり、
枡を使うことはなくなりましたが、
他にも昔からの
縁起物としての役割を果たしています。
枡は神事などで神様にお供えをする時に
使われたり、豆などの穀物やお酒を
入れたりするもので、
縁起が良い催しものには、必ず登場します。
また、結婚式では『福が増す』『愛が増す』
商売では『益々繁盛』などの意味合いもあります。
職人が製作した升はとても頑丈でなかなか、
壊れたりはしません。最近では、升のコレクターが
いたり、日本好きの外国人からも注目をされています。
『シャミコ』は縁起物の『升』を『胴』に使用していて
引き出物などの贈答にも喜ばれております。